
弊社の仕事・実例集のための第2HPです。
0952-73-2411
佐賀県小城市三日月町石木166-1
今回は海水を浴び続けて壊れたオルタネーターを分解します。
中身はいったいどうなってるの?
詳しいオーバーホール作業ページは他に沢山有るのでそちらを見てね
Godハンドで後ろから叩くとフロントカバーが外れました・・・噓です。
インパクトレンチでプーリーナットを外してから、
貫通ボルトをチマチマ外します。
このベアリング、圧入はされてませんが意外と抜けません。
そんな時は写真のハイテクツールを使用します。
ウエザリング加工されてて古臭く見えますが昭和時代の新品です。
万力で固定してローターをスライディングハンマーで抜くときは注意が必要です。
抜けて飛び出したローター(重い)が高確率でつま先を狙って特攻してきます。
ちゃんと対策してからローターを抜き抜きしましょうね。
安物でOKなので車の整備時は安全靴も履きましょう・・・高級な安全靴 欲しいな・・。
流石に海水の洗礼を受けてるので錆びてますね。
ブラシはまだビンビンに立ってます。
まだまだやる気マンマンです。
捨てる部品なのでステーターからの配線は華麗にカットします。
すると、くせ毛で赤毛のヘアバンド頭・・もとい!ステーターは外れます。
老後で暇になったらステーターの針金をほどいて暇を潰す予定です。
さて、冗談はここまでで本題の塩漬けレクティファイアに到着です。
かなり良い塩梅ですね、もう完全に石になってるので取り除けません。
長い時間荷台から滴り落ちた海水が固まって見事なオブジェになりました。
ここまで分解して半田を溶かせばブラシの交換ができますよ。
リアハウジングには海水の入る隙間しか無いので、ここまで分解が必要です。
でもせっかくオーバーホールするならベアリングもレクティファイアも交換した方がマシです。
ブラシは勿体ないので鉛筆として有効活用します。
かなりハードな鉛筆ですが・・・きっと別の有効活用法があるはずなのでトイレで考えます。
このオルタネーターも最期ですからキレイに整列させてみました。合掌。
長い事この形だったオルタネーターも変化の時期が迫ってます。
その新技術が可変磁束モーター(オルタネーター)の存在です。
可変磁束モーターとはモーター自身で発電量などの調整が出来ます。
従来のオルタネーターは回転数に比例して発電量も増えてました。
それだとアイドリング時は電力不足で高回転時には電気が余ってました。
可変磁束モーターはステーターのバイパスで巻き数を調整して最適な発電量に出来ます。
しかも従来のスターターモーターの位置に搭載するとエンジン始動まで可能な優れものです。
それで発電用のファンベルトも無くなりエンジンもスッキリ!ですね。
そんな感じに新技術はドンドン発表されますが実際の搭載は進みませんね。
新技術で部品単価を上げたいサプライヤーと、
安い従来技術で何とかしたい完成車メーカーとの攻防を感じますね。
愛知県の自動車部品の下請け工場に勤める友人によく愚痴られます。
頻繁に乾いた雑巾を更に絞るか如きのコスト低減指令が降りてくるそうです。
生産現場はコスト低減しか考えられない程に追い詰められてる状況みたいです。
「殆どカツアゲ状態だよー」と。 SK