
弊社の仕事・実例集のための第2HPです。
0952-73-2411
佐賀県小城市三日月町石木166-1
皆さんお元気ですか?バッチリ!カトシンです。
このワゴンR・・駐車中に看板が倒れてきて・・ボンネットが凹んでしまいました。
今回は被害事故でもあるので・・新品ボンネットに交換していきます。
もちろん中古ボンネットも存在しますが・・ほぼ100%・・錆や傷・・飛び石傷や塗装が劣化したボンネットばかりです。
(年式も古いので・・仕方がないです)
中古ボンネットを再塗装してたら・・新品とお値段は変わりません・・・ならば新品が良いですね。
もし・・程度の良い中古ボンネットが入手出来れば・・ボルトで付け替えれば・・作業完了です。
だが・・日焼けの具合などで・・色が微妙に違うリスクは覚悟してください。
新品ボンネットは未塗装品しか存在しないので・・塗装も必要になります。
まあ・・その車に合わせたオーダーメイド塗料で塗装出来るので・・より仕上がりは良くなるメリットがあります。
新品も中古も・・メリットデメリットがありますので・・十分に相談が必要なのです。
部品が来るまで・・調色作業を行います。
フィルムに作った色を実際に塗装してみて・・隣り合う部品の色に近く調整していきます。
基本のレシピはありますが・・そのまま合う事は・・まずありません。
「白っぽいかな?」と思ったら黒を足し・・パールのキラキラ感を調整したり・・調整要素は多いのです。
また・・テストフィルムの小さな面積と・・実際の大きなボンネットを塗装した場合では・・色の見え方まで変わります。
それらしさ・・の心理的な要素まで絡むので・・難しいです。
新品のボンネットをペーパーで研いで・・塗装が密着しつつ・・ペーパー傷が埋まる・・そんな下地を作ります。
スズキ車なので・・裏側にコーキング剤を塗布するのも・・必要です。
ホンダや日産はコーキング剤が塗布済みでの供給なので・・良いですね。
ドアやボンネットは表も裏も・・塗装が必要です。
その際・・表裏別々に2回で塗装する方法と・・今回の様に1回で塗装する方法があります。
どっちを選ぶかは・・浮かせて固定出来るか?出来ないか?に影響されます。
浮かせる・・と言いましても・・当然に固定部は必要です。
その固定部は完成時に見えなくなる位置であること・・が求められます。
ドアなら・・内装で隠れる部分で固定する・・イメージです。
で・・意外と難しいのがボンネットなのです。
昔の長ーいボンネットなら・・小さめの机に載せれば・・そのまま両面が塗装出来ました。
(裏の断熱材で未塗装部は隠せれます)
しかし・・最近の短いボンネットは・・断熱材部分が狭すぎるので・・机の手段は厳しいのです。
そんな時は・・写真の様なカスタム固定具が有効です。
ヒンジのボルトと・・ボンネットロック位置のみで固定出来るので・・1回で塗装が可能になるのです。
(ベースのスタンドとの相性もあるので・・万能ではありませんか・・)
固定が済んだら・・油分と静電気を除去して・・塗装開始です。
白い塗料→キラキラパール塗装→透明塗料の順に塗装していきます。
裏側は・・無理な体勢での塗装になるので・・結構大変なのです・・。
下から上に塗装すると・・塗料の霧が押してきて・・被る事になりますから・・ね。
どうしても塗り難いので・・仕上がりのレベルが若干下がるのがデメリットです。
メリットは・・2回に分けての塗装時に出てしまう・・マスキング跡が発生しない点ですね。
塗装時に・・塗装面に付く異物は・・避けては通れません。
空気中のチリに・・噴射した塗料がくっついて・・塗装面に張り付くからです・・。
(これを防ぐには・・ホコリをシャットアウトしたクリーンルームレベルが必要なので・・非現実的です)
この塗装面に付着した異物を・・ゴミやブツ・・などと塗装屋さんは呼んでます。
手で触ると引っかかる突起になってるので・・見逃す訳にはいきません。
左の写真は・・そんなブツを・・ピンポイントで削り落としてる最中です。
右の写真は・・ブツを削った跡と・・その周辺を馴染ませる為のペーパー掛け作業です。
電動ポリッシャーで磨けば消せる・・2000番以上の細かいペーパーで作業する必要があります。
ブツ取りのペーパー傷を・・コンパウンド(磨き粉)とポリッシャーで磨きます。
コンパウンドも・・粗い・・中間・・仕上げ・・と使い分けます。
結局・・最適な種類のコンパウンドを使用するのが・・最も早いからです。
いきなり仕上げ用コンパウンドで作業すると・・どんなに時間があっても・・終わりません。
皆さんも磨き用3種のコンパウンドセットを使う機会があるかもしれません。
基本は粗目コンパウンドで目的(傷落としや艶出し)を達成してから・・。
粗目のコンパウンド傷を・・中間コンパウンドで消すのです。
中間コンパウンドでキレイに仕上がったのを・・更に良くするのが仕上げコンパウンドです。
コンパウンドは、単なる目の粗さの違いでは無く・・使用目的そのものが違うのです。
いきなり仕上げコンパウンドで作業する愚かさが・・分かって貰えましたか?
粗目コンパウンドが怖いのか・・いきなり仕上げコンパウンドで無駄に頑張るケースを見かけますので・・。
古いボンネットから部品を移植して・・建付け調整を行い・・完成です。
はい・・やっぱり・・そのまま・・すんなりとフィットは出来ませんでした・・。
結構・・あっちこっち調整して・・隙間も段差も閉まり具合も・・満足出来ました。
まあ・・この辺りも新品のデメリット・・なのですけどね・・。
この微調整は・・自動車板金屋さんの腕の見せ所です。
普段・・車検整備などしてる整備士さんでは・・困難な調整作業・・と言えるでしょう・・かなりの経験を要しますので。
基本・・整備の交換部品はピタリと合いますから・・。
周囲と調和させた最大公約数的調整・・なんて発想はエンジン整備士には・・そもそも無いですからね。
ピカピカに仕上がり・・周囲にソロモンが見えます(笑) SK
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