
弊社の仕事・実例集のための第2HPです。
0952-73-2411
佐賀県小城市三日月町石木166-1
皆さんお元気ですか?バッチリ!カトシンです。
筆者の・・中古10系アルファードは重い車重とロングホイールベースの割に・・直進安定性が低いです。
当然・・排水も考えてない様な・・完全フラット路面では・・手放しでも直進しますが・・。
路面排水の為に斜めに傾いた道路や・・轍が見られる道路では・・ハンドルが落ち着きません。
場合によっては・・キャスターに左右差が有るような・・ハンドル流れみたいな症状も出ます。
そうです・・路面の傾きの影響を・・受けやすいのです。
当然・・しっかりハンドルを握ってれば大丈夫なのですが・・そんなのレベルが低いです。
以前試運転したスズキスイフトZC72Sは・・凄かったです。
いつもの試運転コースを・・矢のように・・いえ・・リニアレールガンの様に直進しました。
テストの為に手放し運転(1センチ浮かせてるだけですよ)をしても・・路外に行こうとする・・そぶりは全く見せませんでした。
筆者は・・その感動が忘れられず・・何とか出来ないか・・を考えてました。
そしてたどり着いた結果が・・ネガティブキャンバーです。
キャンバーとは・・上から見たタイヤの傾きです。
バイクが殆どハンドルを切らなくても曲がるのは・・車体を傾け・・タイヤを傾けてるからです。
傾いたタイヤは・・円を描くように・・傾いた方向に曲がろうとします。
車は前輪が2個あるので・・左右のタイヤが車体中心方向に・・曲がろう曲がろうとすれば・・結果・・直進します。
少なくとも・・路外方向へ曲がろうとする動きは・・減らせれマス。
ちなみに・・ポジティブキャンバーは・・タイヤ上部の方が外に出てる状態で・・重ステ車に採用するとハンドルを軽く出来ます。
ネガティブキャンバーはタイヤの上部が・・車体の内側に傾いてる状態です。
レーシングカーなどに・・ネガティブキャンバーが多いですね。
スマホで計測すると・・現状はー1度です(便利な機能ですね)
車体をシャシー馬に載せて・・前輪タイヤを外します。
ホイールナットを取り付けて・・ブレーキディスクを固定します。
この時に計測すると・・+ー0度でした。
ストラットサスなので・・サスペンションストロークでキャンバーは変化しますね。
これが・・ストラットサスペンションの弱点です。
直進安定性に関わるキャンバー角が・・ストロークにより変化してしまうのです。
それを嫌って・・高級車はキャンバー角が変化しない・・ダブルウィッシュボーンサスペンションを採用するのです。
キングピンボルトを緩めます。
純正ボルトは・・そのまま締め付けても・・そこそこの数値が出る様に・・ボルト太さが調整されてますが・・。
そこは大量生産品・・若干の余裕が持たせてあります。
要は・・ガタ・・が存在するのです。
そのガタを・・目的のキャンバー方向で全振りすれば・・調整が可能なのです。
ちなみに・・トヨタの場合・・部品カタログ隅に・・調整用キングピンボルトも存在します。
調整用キングピンボルトは・・ボルトの太さが細く・・調整範囲も広がる・・裏技純正部品です。
今回は・・現車装着済みの・・通常ボルトの範囲内で行います。
調整用ボルトは・・大きく動き過ぎるので・・特殊な例以外では・・使ってはいけません。
それに・・交換は上側だけにしましょう・・両方とも交換すると・・サスペンションの長さまで狂いますので・・マジで収取がつかなくなりますよ。
アルファードクラスのキングピンボルトは・・鬼トルクで締まってます。
今回もインパクトレンチ程度では緩みません・・1メートルクラスの超ロングレンチで・・ようやく緩みました。
キングピンボルトをフリーにしてから・・固定したブレーキディスクごと・・ジャッキで持ち上げます。
上がるにつれて・・面白い程・・傾いていきます。
ポイント!
ストラットサスペンションは・・そのままキングピンボルトを固定すると・・ポジティブキャンバー方向になります。
この様に持ち上げてキングピンボルトを固定すると・・ネガティブキャンバー方向に出来るのです。
はい・・これなら・・改造ではなくて・・調整の範囲で・・遊べますね。
だって・・何も部品は交換してませんから・・フルノーマルです!
自動車メーカーの生産ラインでは・・おそらくポジティブキャンバー方向で・・組まれるのでしょうね。
ナックルなどの重みで・・勝手に垂れ下がりますから・・。
今回は・・それを逆手に取った・・裏技なのです。
固定後・・測定してみると・・1度・・ネガティブキャンバーが増えましたね。
これで・・めでたしめでたし・・・とはいきませんよ!
これからが・・大変なのです。
今回の様に・・キャンバーをいじると・・トーイン(タイヤの向く方向)が大幅に狂います。
今回でも・・片側10ミリはズレてました・・。
とてもそのまま走行出来る・・アライメントではありませんよ。
なので・・今のうちに・・ロックナットを緩めておいて・・トーイン調整に備えましょう。
(トーイン調整は整備工場などのテスターで計測しましょう・・糸では・・大まかにしか無理です)
はい・・大変なトーイン調整が終わり・・実走で最終調整を行います。
トーインの数値だけなら・・簡単ですが・・そこにハンドルセンターか加わると・・大変なのです。
手放しで直進走行中に・・ハンドルが完全に真っすぐなってる・・必要がありますからね。
そんな調整後・・最終計測です・・-1度ゲットだぜ・・やったね!
調整後は・・外乱や路面状況に対して・・強くなってるのは・・実感できましたよ。
ただし・・その車のオーナーが・・同じ道を走行したなら・・判別できるレベルで・・です。
要は・・少しは良くなるよ・・って事です。
あくまで・・部品交換無しの微調整レベルで・・車自体はそのままですから・・。
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今回の作業も・・あくまで・・筆者のスキル向上の・・実験です。
実際行ったら・・どんな副作用が起こるか・・予想出来ません・・自己責任の世界です。
タイヤがネガティブキャンバーなので・・内側ばかりが減ったりするかもです。
トーインの調整が悪いと・・逆に真っすぐ走らなくもなります。
現状で大きな不満で無いなら・・そのままが無難でしょう。 SK
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